住まいに「実用の美」を!古民家の間取り「土間」の活用術

via scotchs with respect

古民家によく見られる「土間」は、現代の家に暮らすわたしたちが取り入れても実用的に使える空間です。

日本の民家で古くから用いられてきた間取りのひとつですが、ほかの部屋とは一味ちがう魅力と利便性を持ち合わせています。

なんとなく「古い」イメージを持たれるかもしれませんが、実は現代の生活様式にこそ、取り入れるメリットがたくさんあるのです。

今回は、自在にアレンジの利く土間の魅力と活用方法をお伝えします。

土間とは?

ひと言でいえば「土足のまま過ごせる空間」のことです。

かつての古民家には、どの家にも必ずと言っていいほど土間がありました。

広めの玄関のようなスペースで、畑や庭作業がてら、履き物を脱がずに収穫物を整理したり、併設の台所で調理ができたため、土間は人々の暮らしになくてはならない存在だったのです。

近年、土間は室内を汚さず土足のまま作業ができ、見た目にも美しいという理由から、再度見直される動きが出てきました。

土間は時代を問わず、日本人の暮らし方に沿った間取りのひとつです。

土間って便利!5つのメリット・活用術

土間は通常の玄関スペースとは違って広いため、何かと作業の際に役立ちます。

古くから人々は土間を上手に利用し、生活の中に役立ててきました。

ここでは主に5つのポイントから、土間の利便性・実用性を取り上げます。

長い時間をかけて培われてきた暮らしの知恵から、土間の魅力を再発見してみて下さい。

玄関から直接往来できる

いちばんは、やはり玄関からの出入りが便利な点でしょう。

多くの古民家に併設する勝手口(かってぐち)への往来もラクラクです。

いちいち靴を脱がなくても、買った食材や土のついた野菜を一時的に置いたり、ちょっとした作業ができたりと、いいことばかり。

部屋を汚さず、土間で用事をささっと済ませられるのは、うれしいポイントです。

天候に関わらず作業できる

DIYや大工仕事・畑仕事の延長といった作業は、できれば外で行いたいもの。

しかし雨風の強い日・真冬や真夏では、そういうわけにもいきません。

土間は天候に関係なく、土や木の切れ端といった、室内に持ち込みたくない汚れを気にせず快適に作業できるのが大きな魅力です。

またかつての古民家では、土間と台所が繋がっているケースが多くありました。

畑から直接野菜を採ってきて、家の中を汚さず調理できることから、現代でも重宝される間取りのひとつです。

床面を汚しても、箒やブラシで大胆に清掃できるため、調理中のストレスもありません。

土間は生活空間にひとつあると便利な空間なのです。

客人とのおしゃべり

近所の方が立ち寄ってくれた際、玄関先でのおしゃべりはスペースが狭く、もてなす側としても気が引けてしまうもの。

かといって、いつも家の中が整っているとは限らないため、時に家の中に招き入れづらいこともあるでしょう。

そんなとき土間があれば、窮屈さを感じさせず、靴を脱いでもらう手間が省け、その場でちょっと話せるのがいいところ。

相手に気を遣わせず、リラックスして話せるムードを演出できるのは、土間ならではの魅力です。

趣味のスペースに!

土間にバイクや自転車を置いたり、DIY・メンテナンス作業にぴったりです。

乗り物のほか、本棚やレコード・テーブルを置いて、趣味を楽しむ場としても利用できます。

スペースを上手に活用すれば、通常の部屋とは違った楽しみ方を味わえるのが、土間の面白いところです。

イベントに最適

古民家の土間を活かして、作業台や機材をセットすれば、イベント会場に早変わり。

ライブやワークショップ・プチ上映会など、アイディア次第で何でも楽しめます。

ゲストに靴を脱いでもらう必要がないため、気軽に参加してもらえるのがメリットです。

いつものライブハウスやオフィスとは違い、古民家独特のぬくもり溢れる空間が、イベントのムードをやわらかく包んでくれますよ。

現代の家に、土間を取り入れよう

土間と聞くと、ついひと昔前の家でしか作れないイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。

しかし土間は、住宅の建築年数なしに、意外と簡単に取り入れることが可能です。

家の作りや広さによって条件は異なるものの、施工の工夫次第で安価に抑えることも出来る土間づくり。

あなたの家にも、土間を取り入れられるかもしれませんよ。

一軒家に

古民家かどうかにかかわらず、玄関スペースを広げることで気軽に土間をつくれます。

もともと古民家の構造に土間があったけれど、リフォームによって別の空間に変わってしまっている場合もあるので、再度土間に戻してもらえばOKです。

新築なら、設計の時点で土間を導入しやすくてよいですね。

ちょっと広めの土足空間を活かして、部屋の中には収納しづらいアイテムを置いたり、趣味の場として利用するのもひとつの手です。

マンションに

玄関スペースを拡張すれば、マンションでもちょっとした土間を作ることは可能です。

もちろん物件によって条件は変わりますので、事前の相談を忘れずに。

土間があれば、自転車や子どもの遊び道具のほか、買った野菜を一時的におけて便利。

小さくても土足のまま動けるスペースが広がれば、生活の利便性がUPすること間違いなしです。

実用的で、うつくしい。土間は現代の暮らしにもぴったり

かつて農作業が多かった時代から、わたしたちが暮らす現代まで、土間があることで実用的な暮らし方を実践できます。

入り口が広く見え、住まいのうつくしさが増すという意味でも、土間を取り入れるメリットは大きいはず。

完全な野外ではなく、室内でもない絶妙な空間だからこそ、アイディア次第で使い方が自由自在です。

ぜひ、あなただけの土間を取り入れて、好きなことを始めてみてはいかがでしょうか。

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