和室2部屋と洋室1部屋で構成された、2DKの団地のお部屋。
一般的に目にすることのある、和室がベースとなった団地の間取りですが、これほど気持ちの良い空間はなかなか珍しいのではないでしょうか。
和室に見られる鴨居(かもい)や欄間(らんま)は、この風合いのあるナチュラルインテリアの内装において、もはや欠かせないパーツであるとすら感じます。
鴨居(かもい)
柱と柱を水平につなぐ開口部の上部の横材。
欄間(らんま)
光や風を通し、ゆるやかな空間の仕切りとして、天井と鴨居の間にある部位。
近年は、古い団地をリノベーションした物件などでこうした部材をすべて取っ払い、ズドンと広い空間にリフォームしたお部屋も見かけるようになりました。
もちろん、現代風にアレンジされた空間もとても素敵な魅力があります。
しかし、こちらのオーナー様のように昔からあるものを残しつつ、自分のスタイルにフィットさせていく感性はぜひとも見習いたいところです。
他にも、押入れは思っている以上に面積をとるスペースですが、あえて開放してしまうことでお部屋にさらなる広がりが生まれます。
下段は収納スペースとして活用し、上段はゆったりと物を置くことで全体的なゆとりも感じます。
「デザインは足し算ではなく、引き算だ」 といった言葉がありますが、このお部屋を見ていると片意地を張って「おしゃれなインテリアにするぞ!」といった強い意気込みの他にも大切な何かがある。
そんな風に教えてくれている気持ちになります。