畳のある和室。
それなのに、洗練された北欧インテリアをイメージしてしまうのはなぜでしょうか。
和の空間に敷かれたフォークロアな民族調のラグ、ほどよい重厚感のあるシンプルな机とイス。
これらデスクまわりの家具たちと天井から下がる黒色でシャープな形状の照明が、お部屋全体をスッと引き締めている印象です。
また、壁に見えるキリンと植物の絵もフレームの色が違っていたり、小ぶりな掛け時計もふくめてサイズ感やレイアウト加減が抜群ですね。
繊細な棒で組み上げられた「ヒンメリ」や、そっと飾られた植物たちも心地のよい落ち着きを生み、自然体でいさせてくれるようなお部屋です。
「ヒンメリ(himmeli)」とは、乾燥させた藁(わら)の中心に糸を通してつなぎ、幾何学的な形に構成したものです。
北欧のフィンランドに古くから伝わる伝統的な飾りもので、「光のモビール」とも呼ばれています。
フィンランドの長い冬。
この期間は日光を十分に浴びることができなくなるため、太陽、そして豊かな収穫のシンボルとして、幸福を願いながらこのヒンメリを飾る風習があるそうです。
1つの和室のなかに様々な要素がありながらも、大切なものだけをそっと置いている。
そんな「ちからの入れ加減」を参考にしたい和室のインテリアです。