スタイリッシュで素朴な雰囲気が漂う北欧デザインは、日本でも人気の高いテイストのひとつ。
日本の部屋と親和性が高く、洋間だけでなく和室にもマッチするのがメリットです。
一方で「まず何から取り入れたらいいのか分からない」「ハードルが高い」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし実は「質のいいデザインを多くの人に届けたい」というモットーを掲げるブランド・デザイナーも多く、アイテム選びや取り入れ方次第で、リーズナブルにゲットできるのも北欧デザインのいいところ。
ここでは、どんなアイテムを取り入れたら北欧テイストの部屋を演出できるのか?を焦点に、北欧デザインを気軽に取り入れるヒントをお届けします。
目次
タイムレスでミニマルな、北欧風ルームを目指したい!
近年「足るを知る暮らし」「シンプルで無駄のない暮らし」の流れから、北欧デザインに憧れを抱く人も多いのではないでしょうか。
実際に北欧の部屋を訪ねると、多くの人がごくシンプルにまとめ、色や柄のあるアイテムを少しだけ取り入れて遊び心を演出しています。
ヒュッテや一軒家では、DIYも取り入れてさらに自由度が増しているのにも関わらず、絶妙なバランス観やセンスに圧倒されることも。
そんな北欧の家々を支えるのは、気鋭のデザイナーやブランドの活躍によって発展を遂げた北欧デザインが関わっています。
今回は、誰もが北欧デザインが身近にある部屋を楽しめるよう、簡単なステップとアイテム別アドバイスを解説します。
具体的に「なぜ北欧デザインがうつくしいのか?」に関する解説は、別の記事をご覧くださいね。
準備ステップ:モノを厳選しよう
あくまでも筆者が見てきた範囲での話ですが、北欧のおうちは皆びっくりするほどモノが少なく、すっきりしています。
ズバリその秘密は、いいモノだけを厳選し、長く使うこと。
モノが少ない理由には、多くのアパートや一軒家が、普段使用しない道具を収納できる倉庫スペースを持っているといった理由もありますが、インテリアや家具に関しては、とにかく必要最低限です。
部屋に物が多くごちゃごちゃしていると、せっかく選んだインテリアの魅力が半減してしまいます。
何より本当にいいアイテムは、実用性に優れ、長く使えるもの。
北欧デザインは、使い手の利便性と外観の美しさを両立した絶妙なバランスが最大の魅力なのです。
自分がかけられる予算の範囲で、出来る限り「シンプル」「実用性」「耐久性」を重視し、長く使うことを想定して選ぶといいでしょう。
実践!まず北欧デザインを取り入れたい、5つのアイテム
北欧デザインは、家具はもちろんキッチン用品、ファッション、ポスターのように、あわゆる分野に見られます。
すべてを取り入れるのは難しくても、要所要所で北欧デザインを選んだり、ほかのテイストとミックスさせれば、日本で北欧のムードを演出することは可能です。
ここでは、特に取り入れるべき5つのアイテムに絞ってご紹介します。
ブランドやデザイナーによってバリエーションがあるため、部屋のテイストや好みにあわせて、自分だけのオリジナルな世界観を作ってみて下さい。
照明
照明は、インテリアや小物より部屋全体の雰囲気を左右する、重要な役割を担っています。
筆者の経験では、北欧のすてきな部屋と日本でよくある部屋の、最大の違いは照明の工夫ではないかな?と思うほどです。
たしかに、そもそもの家の構造・窓の大きさといった差異はありますが、それでも日本の部屋の多くは昼も夜も電気をつけていて「明るすぎる」と感じることがしばしば。
北欧では、太陽の光をめいっぱい取りこむ大きな窓のおかげで、日中はライトがほとんど必要なく、夜は落ち着いた電球色で、最低限の光を灯します。
夜間も照明で部屋がまぶしい日本に比べると、北欧の部屋は「暗い」と感じるかもしれませんが、彼らにとって照明はあくまでも補助程度。
電灯による刺激を避け、リラックスしたムードを求めているのです。
照明選びは、やっぱりデザインが一番大事
ライトの数や大きさと同時に、照明器具のデザインにも注目してみましょう。
北欧のライトは、吊り下げタイプのメイン照明と、スタンド式のサイドランプを組みあわせて使用するのが主流。
メインといってもあまり大きすぎず、部屋やスペースに応じて1~数個あれば十分です。
日本のような蛍光灯は少なく、丸形やツイストした形の、ちいさな電球をはめるのが一般的です。
季節によってファブリックやカーテンを変えることはあっても、照明器具を買い換える機会はなかなかありません。
手頃な価格帯ならIKEA、もう少しこだわるならLouis Poulsen(ルイス・ポールセン)やArtek(アルテック)・ferm LIVING(ファーム・リビング)が、豊富なラインナップを取り揃えています。
どんなテイストにもマッチしやすい、シンプルなテイストを選ぶのがおすすめです。
椅子
リビングや書斎に、必ずひとつはあるアイテム、椅子。
机とセットで置かれることもありますし、スツールをインテリア代わりにセットする場合もあるでしょう。
意外と目立つ椅子は、北欧デザインを選択して部屋のムードを演出するのがポイントです。
まず目的に沿った形から気にするところからはじめ、使い勝手とあわせてチョイスすれば、普段の使用感も格段にUPします。
Alva Aalt(アルヴァ・アアルト)やFritz Hansen(フリッツ・ハンセン)・HAY(ヘイ)といった北欧ブランドの椅子は、スタイリッシュかつ座り心地を追求したデザインが豊富。
形や素材・カラーバリエーションも多数あり、部屋のテイストにあった1脚を選べます。
カーテン
夏は一日中太陽が顔を出し、冬は暗さと寒さが厳しい北欧では、カーテン選びも大切なポイントです。
特に冬はとにかく暗いため、すこしでも気分を明るくするために派手な大柄を選んだり、落ち着いた暖色でまとめたりと、人によって工夫の仕方はさまざま。
ベースとなるインテリアがシンプルなぶん、カーテンで遊んでみるのも面白いですよね。
個性的な柄を多く取り扱うmarimekko(マリメッコ)やalmedahls(アルメダールス)・Fine Little Day(ファイン・リトル・デイ)のようなブランドのファブリックを使って、カーテンを自作してみるのもよいでしょう。
季節や部屋によってパターン・カラーを使い分けると、同じ家の中でも違った雰囲気を満喫できます。
ラグ&ファブリック
カーテンほど気軽に取り替えるのは難しいからこそ、ラグやマット・クッションカバーといったアイテム選びも大事。
ラグ選びの際は、部屋のアクセントにするのか、調和を優先するのかによって、チョイスが異なります。
北欧デザインは大胆な柄でも落ち着いたトーンにまとまっているアイテムが多く、比較的取り入れやすいのではないでしょうか。
クッションカバーやブランケットは、上質なウールを使用した温かみのあるデザインをチョイスすると、より北欧感を演出できます。
KLIPPAN(クリッパン)やLAPAN KANKURIT(ラプアン・カンクリ)、Røros Tweed(ローロス・ツイード)といった、品質とデザインにこだわりのあるブランドから選ぶのがおすすめです。
また、キッチンタオルやベッドリネンといったアイテムは、意外と目立つもの。
北欧ならではのユニークなパターンや、素朴でシンプルなファブリックなど、好みにあわせて選択しましょう。
全体のバランスを見てカラートーンをあわせていくと、自然とまとまりが出ますよ。
植物
北欧の家々に見られるグリーンは、部屋全体に癒しのエッセンスをプラスしてくれます。
すこし郊外に行けばりんごやスグリの樹木、カレンデュラやチューリップといった花々が庭を彩る様子を楽しめるものです。
とはいえ、やはり冬の間は草葉がなくさみしいのか、部屋の中にはみんな一年中楽しめる常緑植物を置いています。
オークやビーチ材、ウールといった自然素材をベースにしたアイテムが多い北欧デザインは、植物との相性もばっちり。
ちょっとしたアクセントにグリーンを取り入れれば、北欧インテリアのあたたかさを際立たせてくれます。
シンプルだからこそ、アレンジ自在!北欧デザインで部屋をもっと快適に
スタイリッシュで洗練された美しさと、自然素材や有機的なフォルムによる素朴なあたたかさを兼ね備える北欧デザイン。
まわりの家具・インテリアとマッチしやすく取り入れやすいことから、ベーシックなアイテムに北欧デザインを選択するのがおすすめです。
落ち着きと遊び心、ぬくもりとクールな要素をバランスよく両立させることもでき、人によって自由にアレンジ可能なのが魅力。
何より、使う人の暮らしを一番に考え抜かれた秀逸なデザインは、日々の生活に快適さをもたらしてくれますよ。