どうして北欧インテリアが魅力的なの?気になる理由を分析・解説します

海外インテリアの代表的な存在として、日本でもよく目にする「北欧デザイン」。

暮らしの中に素朴なあたたかさと機能性をもたらしてくれる北欧デザインを、ぜひ部屋に取り入れたい!と思いますよね。

実際は日本の部屋にマッチするものが多く、取り入れやすいアイテムばかりですが、なんとなく「おしゃれ」のイメージが先行して躊躇してしまいがち。

もし、北欧デザインにハードルを感じているのであれば、ぜひ北欧人の「暮らし」に視点を移してみて下さい。

なぜ北欧デザインがあれほどシンプルで実用的なアイテム揃いなのか、きっと見えてきます。

「暮らし」から北欧デザインの魅力を知れば、ハードルがぐっと下がるはずですよ。

世界がうらやむ、北欧デザイン

近年はトレンドとして名があがるほど、世界じゅうで注目を浴びている北欧デザイン。

北欧といえば、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランドの5か国に、バルト三国のエストニア・ラトビア・リトアニアが含まれます。

特に、20世紀ごろからミッドセンチュリー期にかけて花開いた北欧デザインは、先の4か国を中心に発展しました。

ほかにはない素朴なうつくしさと使い勝手のよさが、国や世代を超えて多くの人々に愛されています。

北欧デザインのキーポイントは3つ!

北欧デザインの中でも、特に注目されているポイントは、大きく分けて3つあります。

それは「シンプル」「機能性」「色」です。

使い手の立場に立って考えぬかれ、華美な飾りをなくし極限まで無駄をそぎ落としたアイテムが多く見受けられます。

さらに見た目の美しさだけではなく、使い勝手にすぐれている点が魅力。

そして、どんな部屋にもマッチするよう、できるだけ素材のカラーをそのまま生かしたり、バランスを考慮したやさしい色味が特徴です。

北欧デザインは、3つの調和がとれたインテリアや家具を数多く輩出してきました。

時代のトレンドに流されず、世代を超えて長く使えるのもうれしいポイントです。

北欧人の暮らし・習慣にみる、魅力の秘密

デザインはいつでも、土地の気候や文化・個々の習慣に沿った形で生まれるもの。

北欧の場合、日本とは違った風土や生活スタイルが見られます。

同時に共通点も多いため、日本の暮らしに取り入れやすく、なじみがよいのも特徴です。

今回は3つのキーポイントに加え、北欧デザインの魅力を、北欧に住む人々の「暮らし」にまつわる視点から考えてみましょう。

北欧の冬ごもりで求める、シンプル&実用性

北欧デザインの原点は、人々の「暮らし・習慣」に由来します。

北欧諸国が位置するスカンジナビア半島は、南端部でも緯度55度と高く、夏は白夜・冬は極夜の現象が見られます。

特に冬は1日に数時間しか太陽を見られず、寒さも相まって家の中で過ごす時間が自然と多くなるもの。

暮らしの中心である家の空間を、すこしでも明るく快適に整え、穏やかな気持ちで冬を越せるように、長い時間をかけてさまざまな工夫が施されてきました。

家具やインテリアの数が多すぎたり、ひとつひとつのデザインに角が立ちすぎていたりすると、なかなか落ち着かないですよね。

加えて実用性も、暮らしの上ではとても大切な要素。

いくら見た目がよくても、使いにくければいいデザインとはいえません。

毎日同じ場所にずっといるわけですから、飽きのこないシンプルな外観と実用性の高さが求められたのです。

家で過ごす静かな時間の中で、快適な環境と求める気持ちが、シンプルで使いやすい北欧デザインを育んだといっても過言ではありません。

自然だいすき!が生んだデザイン

北欧デザインには、自然素材を用いたアイテムや、動植物の形・パターンが多く見られます。

その理由には、北欧人がとにかく自然の中で過ごす時間を大切にしていることが挙げられるでしょう。

すこしでも太陽が昇ると、たとえ0度台でも外にでたくなるのが北欧人の性分。

都市部に暮らしていても自然との距離が近く、時間が許す限り森や湖・山へ出かけるのがだいすきです。

冬は外に出かけられないぶん、自然と家具やインテリアのような家で用いるアイテムに、自然の要素を求めるようす。

たとえば、カーテンやエプロン・ベッドリネンといったファブリック。

描かれる模様やパターンには、アネモネやベリーのような植物をはじめ、ムース・羊といった身近な生き物たちが定番です。

家の中にいても、自然が人を癒してくれることをよく理解している証が、北欧デザインなのです。

限られた天然資源を、上手に活用

今度は、北欧デザインの元となる「素材」の話。

冬は寒さが厳しく、夏はほとんど1日中太陽が顔を見せる独特な北欧の気候条件は、その地ならではの自然の恵みをもたらします。

代表的な樹木には、ホワイトバーチ(白樺)やオーク(柏)・パインツリー

天然資源として貴重な木々を切り、暮らしのために家や家具・インテリアを作ってきました。

また天然繊維ではウール・リネンを用いることが多く、現在も多くの北欧ブランドでファブリックやテキスタイルデザインのベースとなっています。

興味深い点は、自然素材のアイテムにはできるだけ色を施さないものが多いこと。

色を付ける場合も、調和のとれたニュートラルなカラーを選択します。

自然が持つうつくしい色や形を活かした、素朴でナチュラルな風合いが、落ち着いた雰囲気をもたらすのです。

限られた資源を上手に使い、自然の恵みにリスペクトの意を持つことが、北欧デザインのシンプルさと実用性の両立を可能にしているのかもしれません。

職人の技が光る技

資源を有効に活かしたり、うつくしいパターンを作り出せるのは、職人の技術が光るからこそ。

今でも手仕事がさかんに行われる一方で、ミッドセンチュリー期からは大量生産を求められるようになりました。

結果として世の中には、プラスチックやスチールといった安価な素材を用いた、粗悪な品質が増えていくことに。

しかし北欧デザインの巨匠たちは「いかにして、手仕事のクオリティを機械生産で再現するか?」に注力しました。

その功績は、アルヴァ・アアルトの「曲げ木技法」や、Bang&Olfsen(バング&オルフセン)のような、スタイリッシュで無駄のないデザインに表れていきます。

特にアアルトのような、自然そのものが持つ有機的な要素を活かした、なだらかなフォルムの再現は、北欧に住む人間だからこそ達成し得たのかもしれません。

自然の摂理に沿い、すべてを包み込む寛大さを持っているからこそ、北欧デザインはどんな部屋にもあわせやすいのでしょう。

いつだって明るい気持ちで過ごしたい!が求めた、色とパターン

先ほど「飽きのこないシンプルなデザインを求めた」といいましたが、すべてがシンプルではちょっと味気ないのも事実。

特に冬の暗さから、気持ちも落ち込みやすくなりがちな北欧では、すこしでも気分が明るくなるカラフルなアイテムも好まれています。

特にアクセントとなるファブリック・テキスタイルには、大胆でカラフルなパターンやユニークな形が多く誕生しました。

赤や黄色といった暖色系は、ろうそくやたき火のあたたかな光と相性が抜群。

花や幾何学模様・動物をベースにした大胆なパターンを施し、見るだけでワクワクするようなアイテムが揃います。

草木が芽吹き、一気に花咲く春夏には、さわやかなブルーやグリーンのベッドリネンやカーテンに切り替える人も。

季節にあわせて適切な色とパターンを選び、いつでも気持ちよく暮らす北欧人の知恵は、日本でも取り入れやすいのではないでしょうか。

北欧デザインを取り入れて、暮らしの質をUP!

北欧デザインの魅力は、雄大な自然がもたらす素材やインスピレーションと、生活空間に求めた快適さの実現にあります。

シンプルで実用性の高いアイテム選びは、暮らしの質向上につながるもの。

ひとつあるだけで、家ですごす時間がぐっと快適になります。

もし北欧デザインを取り入れようか迷っている人がいれば、ぜひ「毎日の時間がもっと楽しくなる」ことを想像してみて下さい。

北欧デザインがきっと、あなたの暮らしのクオリティを高めてくれますよ。

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