壁掛けタペストリーをお部屋に取り込んで、インテリアに素敵なテイストを添えてみませんか?
空いている壁のスペースを使って、お好きな布など飾るシンプルな方法でもタペストリーが良いアクセントとなり、インテリアの質を高めてくれます。
この記事では、タペストリーについてその歴史を踏まえてご紹介しながら、タペストリーを使った素敵なインテリアを実例を挙げて解説しています。
目次
タペストリーとは
タペストリーとは、絹や麻などを使用して模様を織り出す、壁に掛ける織物のことです。
タペストリーの織り方であるつづれ織りの起源は大変古く、古代エジプトにまで遡るといいます。
その後ヨーロッパに持ち込まれたつづれ織りは、断熱のためや装飾品として室内で利用され、人々の生活とともに発展していくことになるのです。
現在では、ヨーロッパで発展した伝統的なタペストリー以外に壁面を飾る様々なファブリックアイテムを含め、タペストリーと呼んでいます。
毛糸ひもを使って初心者の方でも DIY で楽しめるものなど、繊維材料を使った造形作品も気軽にインテリアに取り込めるタペストリーとして人気を集めています。
中世以降のヨーロッパにおけるタペストリーの歴史
中世ヨーロッパの貴族たちの屋敷において、タペストリーは温めた室内の熱を逃がさないために壁に掛けられ、贅沢な装飾品として重宝されました。
16世紀のフランドル地方(現在のフランス、ベルギー、オランダにまたがる地域)は、タペストリーの生産地として栄え、時の著名な画家たちが下絵を描き、熟練の職人たちが大規模なタペストリーに仕上げるといったコラボレーションも頻繁に行われていたといいます。
ルネサンス期を代表するイタリアの画家ラファエロ・サンティが下絵を描き、フランドルの工房で織りあげられたタペストリーは、その時代の優れたタペストリー作品として知られ、現在もバチカン美術館にて展示されています。
19世紀には、イギリス人のウィリアム・モリスによって、中世の芸術で使用された植物や自然をモチーフとしたタペストリーが、壁紙などの装飾品とともに再興されました。
ウィリアム・モリスは産業革命後に、安価な粗悪商品が溢れるようになった状況を批判し、高品質のインテリア製品を量産する体制を整えた第一人者であるため、“モダンデザインの父”と呼ばれています。
聖書の物語や神話、戦い、風景などヴィンテージのタペストリーのモチーフが使われたインテリアをご参考に、ストーリー性のあるタペストリーを暮らしに取り入れることも是非ご検討されてみてください。
現代インテリアに使われている多様なタペストリー
現在、タペストリーという言葉は、機織り機を使ってハンドメイドで作られた織物だけでなく、繊維を使った壁にかけるアイテム全般を含めた言葉として広まっています。
タペストリーといっても幅広いスタイルのアイテムがあるので、お部屋にどのように組み合わせるか想像しながら選び、コーディネートしていきましょう。
どうしても取り入れたいアイテムがあれば、それを軸に模様替えをしてみるのも素敵な方法の一つです。
布を壁に掛けるタイプのタペストリー
インテリアのスタイルに合わせて、大胆なデザインの北欧やアジア、アフリカの生地などを1枚さらりと壁にかけるだけでインテリアの魅力を増すことが出来ます。
近年人気の韓国インテリアで使われているファブリックポスターは、布に線画が描かれていたり柔らかい雰囲気をもつものが多いので、ナチュラルなインテリアと合わせても馴染みやすいです。
布を縫い合わせたキルトパッチワークのタペストリー作品も、お部屋のコーディネートの魅力を高めてくれるアイテムになります。
和風の手ぬぐいをかけても粋な趣きをお部屋に添えられますね。
ウィービングやマクラメ編みのタペストリー
紐を織ったり結んで作る壁掛けアイテムもタペストリーとして人気が出ています。
毛糸を編んで作るウィービングタペストリーは、毛糸の選び方や組み合わせ方次第でカラフルに色を取り込んだり、様々な繊維の風合いの違いを作れるDIYでも注目されているアイテムです。
紐を結んで作るマクラメ編みのタペストリーは、ナチュラルかつエスニックな雰囲気をインテリアに添えてくれる BOHOインテリアに取り入れるのにもぴったり。
マクラメを使ったインテリアアイテムについては、こちらのページでご紹介しているので、よろしければご覧ください。

タペストリーを取り入れたインテリア参考例
タペストリーを使ったインテリアのイメージを具体的にこちらの章ではご紹介致します。
タぺストリーはインテリアの大切なアクセントとなり、お部屋の雰囲気をより素敵に高めることを可能にしてくれるアイテムです。
選ぶタペストリーそれぞれの素材、形、色、大きさなどで自由にお部屋のイメージを調節することが出来るのもタペストリーをお部屋に使うことの魅力になってきます。
タペストリーを使うことで優しさ、明るさ、重厚感など様々な要素を増す役目をしたり、柄によって季節や自然を感じられるものまで、5つのインテリア例を以下挙げています。
タペストリーをどう素敵にインテリアに取り込めるか、確認されてみてください。
マクラメ編みのタぺストリーを合わせたBOHOスタイル
ホワイトを基調とした柔らかな印象ながら、民族らしいアイテムを随所に取り入れているお部屋です。
ベッドサイドの壁に、ヤシの葉で作られた大きな茶色のタペストリーを掛ける大胆な使い方ながら、落ち着いた色味でリラックス出来る心地よさが感じられます。
白のマクラメ編みのタペストリーを重ねて掛けるというユニークな方法で、色のコントラストを作られているのも興味深いポイントです。
ヤシの葉で作られた葉の形のモチーフのアイテムなど、自然素材とマクラメの組み合わせが、とても自然な調和を作り出していますね。
タペストリーを全体と馴染むように合わせた、シンプルかつ落ち着いた雰囲気のボーホーインテリアです。
オリエンタル柄のラグを壁に掛けたカントリーダイニング
落ち着いた桃色の壁のダイニングに木製家具を配置し、オリエンタルなラグをフロアに敷くだけでなく、壁面にタペストリーとしても取り入れています。
落ち着いた赤色のラグを部屋の奥側に掛けて飾られていることで、縦のラインのとても素敵なアクセントとなり、お部屋の個性がより引き立ちますね。
フロアに敷かれた朱色やモスグリーン色が入っているキリムラグと合わせて、オリエンタルな雰囲気をカントリースタイルと組み合わさることで出来る魅力がよく見て取れる好例です。
ラグをフロアだけでなく壁に取り入れることも、お部屋の印象を変える効果的な方法になります。
トロピカルなタペストリーを寝室に
ベッドルームに動植物のモチーフを選んで、リラックスした南国のようなイメージを添えているコーディネートです。
白いベッドが木製の壁に優しく馴染む穏やかな雰囲気のお部屋に、鳥たちがグリーンの中に描かれた色鮮やかなタペストリーを掛けることで、爽やかな印象がプラスされています。
絵画のようにこうして動植物柄をタペストリーとして寝室に取り入れれば、心が和んだり明るい気持ちになれそうです。
ピローカバーの選び方も、ライトグリーンの色彩とパイナップルのモチーフが南国風のタペストリーとそろっています。
アイテムに関連性をつけながら、統一感を作られている素敵なインテリアです。
キルトタペストリーを取り入れたパステルカラーのコーディネート
キルトとは、表地と裏地の間に綿を詰めて重ねて縫っていく手芸方法のことです。
様々なスタイルが存在するキルトですが、こちらのインテリアで使われているキルトタペストリーは、女の子と犬の同じパターンを色や柄を変えて取り入れた、絵画のような現代的モチーフを使っています。
ポップな柄ながら淡い色使いとキルトによる優しい風合いで、お部屋に柔らかな空気感が増している印象です。
家具とキルト作品の配色をこちらのインテリアのようにそろえれば、一体感を作ることが出来ますね。
普段使う空間をキルトタペストリーで彩る楽しさを伝えてくれるようなインテリアです。
季節のお野菜柄の手ぬぐいをタペストリーに
階段から季節のお野菜柄の手ぬぐいを垂らされているインテリアです。
季節を感じる手ぬぐいを季節に合わせて選び、飾る暮らしに趣きを感じます。
木目の美しいウッディな内装に、色鮮やかな手ぬぐいのオレンジやグリーン系の色味が合わさり、心地よい雰囲気を作り出していますね。
専用の飾り棒が専門店以外にも100円ショップでも販売されていますし、手ぬぐいをタペストリーとして飾ることは意外と気軽に取り組みやすい方法かもしれません。
お気に入りの手ぬぐいをお家を飾る生活を始めてみるのも素敵ですね。
タペストリーを取り入れてワンランク上のインテリア作りを
ここまでタペストリーアイテムと、タペストリーを使ったインテリア作りについて参考例を交えながらご紹介致しました。
お部屋に掛けるだけで、インテリアのイメージをがらりと変えたり、好きなテイストを添えることが出来るタペストリー。
インテリアをコーディネートする上で大事な役目をしてくれます。
壁に掛けて外す作業も簡単なことから、模様替えに使うのもおすすめです。
民族らしい織物から、マクラメなどの手法で作り出すナチュラルな印象のアイテムまで、様々なタペストリーアイテムからお気に入りを見つけ、ぜひ理想のインテリア作りに活用されてみてください。