almedahls(アルメダールス)
スウェーデンの自然を現代的なデザインで発信するテキスタイルブランド

via almedahls with respect

almedahls(アルメダールス)』は、スウェーデンの古典的なデザインをモダンにアレンジして発信している、1846年創業の老舗テキスタイルブランドです。

植物や魚、鳥などの動物や、暮らしの中の身近なモチーフなど、スウェーデンで最も愛されているパターンを、現代的な色合いと素材で表現しているのが特徴です。

almedahls(アルメダールス)について

アルメダールス社は、西スウェーデンの町・ヨーテボリで、Hans H. Wesslau(ハンス・H・ヴェスロー)氏によって、リネン紡績工場として創業されました。

almedahls(アルメダールス)』のブランド名は、若くして亡くなったハンス氏の愛娘である『Alma(アルマ)』の名に、川の近くに工場があることから、スウェーデン語で「川」を意味する『Dal(ダール)』を付けたことが、その名の由来だといいます。

創業以来、高品質で高級なリネン生地を生産し、世紀の変わり目にはアルメダールス社はスウェーデンのリネン生産量の半分を占めるまでに成長しました。

転換期、気鋭デザイナーによるテキスタイルづくりを強化

1950年代に入り、テキスタイル業界の競争の激化を勝ち抜くため、同社は才能あるテキスタイデザイナーを雇用しはじめました。

当時の新鋭デザイナーたちによって生み出されたパターンの数々は、スウェーデン国内で注目を集め、半世紀以上経った現在も広く愛されています。

近年は、リネン以外の素材を使ったファブリックのみならず、マグカップトレイといったキッチンアイテム・テーブルウェアを手がけるようになりました。

エコを意識した、持続可能な生産方式を取りながら、170年前と変わらない高品質を重視しています。

almedahls(アルメダールス)の主なアイテムラインナップ

現在アルメダールスでは、創業当初から続くテキスタイル・ファブリックのほか、多彩な柄を利用したキッチンツールテーブルウェアといったアイテムを生産しています。

定番パターンといえば、後述する Marianne Westman(マリアンヌ・ウェストマン)による『Picknick(ピクニック)』でしょう。

ほかにも、Astrid Sampe(アストリッド・サンペ)デザインの『Persons kryddskåp(パーション家のスパイス棚)』や、スウェーデン料理で定番のニシンを模した Marianne Nillson(マリアンヌ・ニルソン)による『Sill(ニシン)』が人気のデザインです。

テキスタイル・ファブリック

アルメダールス社の歴史を知る上で、テキスタイル・ファブリックの存在は欠かせません。
これまで社内在籍のデザイナーに加え、多くのスウェーデンや北欧諸国のデザイナーたちとのコラボレーションに取り組んできました。

自社生産という強みを活かし、創業当初から扱うリネンのほか、コットンやポリエステルなどの素材を用いて、紡績から染色、織までの工程をすべて自社工場で行なっています。

そのため、同じパターンでも色違いやパターンのアレンジが豊富で、好みや使用用途によって、多様なラインナップから選べるのも魅力のひとつです。

デザインの多くは、先に述べたミッド・センチュリー時代のデザイナーたちによるものですが、全体的に強すぎない色味と、斬新ながらもすっきりとしたデザインが、現代の暮らしの中によくなじみます。

柄を活かしてそのままカーテンとして使ったり、ファブリックパネルや額として飾ったり、衣服や小物を作ることもでき、楽しみ方は無限大です。

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キッチンツール

近年は、鍋つかみキッチンタオル、エプロンのような、アルメダールス社自慢のテキスタイルを使用したキッチンツールが豊富に揃っています。

定番パターンのほか、季節限定のパターンがたびたび登場し、見る人の心をくすぐります。
テキスタイルでつくられたアイテムは、用途に合わせて布地も念入りに選び抜かれているため、機能性も充分です。

ほかにも、人気パターンの『Sill(ニシン)』や『Persons kryddskåp(パーション家のスパイス棚)』を用いた、カラフルなブリキといった、テキスタイル以外のアイテムもあります。

かわいらしいパターンと、シンプルな形で使いやすいキッチンツールは、台所に立つ時間を楽しくしてることでしょう。

テーブルウェア

アルメダールス社では、豊富なパターンを活かして、カッティングボードやトレイのようなテーブルウェアを取り扱っています。
種類は少ないものの、陶器のカップやプレート、オーブン対応の耐熱皿も生産しています。

特に、アルメダールス自慢のパターンがプリントされたカッティングボードは木製で軽く、上部に穴が空いていて壁にも飾れるデザインは、贈り物としても人気が高いアイテムのひとつです。

食卓のポイントとして使えるアルメダールス社のテーブルウェアで、普段のお料理を華やかに彩ります。

アルメダールスの定番パターン『Picknick』の生みの親 – Marianne Westman(マリアンヌ・ウェストマン)

Marianne Westman(マリアンヌ・ウェストマン)は、スウェーデンで最も人気のある陶器のシリーズを制作してきたと言っても過言ではなく、「スウェーデンの陶器の母」という異名をもつほどのデザイナーです。

マリアンヌは、そのキャリアの大半を Rorstrand(ロールストランド)社で過ごしましたが、アルメダールスとのコラボレーションによって、定番パターンとなる『Picknick(ピクニック)』が誕生しました。

デザインが発表された1950年代当初、Picknickは陶器シリーズとして、ロールストランド社より販売されていました。

のちの 2009年、アルメダールス社とのコラボレーションをきっかけに、ファブリックやトレイといったアイテムを販売する形で引き継がれることになります。

スウェーデンの食卓に並ぶ定番食材が、カラフルで鮮やかな色づかいと軽やかな線で描かれ、マリアンヌが暮らしたかつてのスウェーデンの日常が垣間見えるようです。

スウェーデンの日常と自然を愛し、家族想いだったマリアンヌ

マリアンヌは 1950年代から、彼女の家族が経営するテキスタイルスタジオで、パターンをデザインするようになりました。
1977年から 2017年に 88歳でこの世を去るまで、スタジオがある『Falun(ファルン)』という小さな町で過ごしています。

彼女がそこで目にした暮らしの風景や、ゆたかな自然の数々は、遊び心たっぷりにデザインへと反映されています。
デザインから垣間見える彼女のセンスや人柄が、今も世界中の人々に愛されつづける理由といえるでしょう。

170年以上愛されつづけるalmedahls(アルメダールス)の魅力

小さな町にたたずむリネンの紡績工場から始まり、今では世界中の人々を魅了しつづける、北欧テキスタイル界の代表格となった almedahls(アルメダールス)。

その陰には、才能溢れる北欧の気鋭デザイナーたちが送り出した、時を経ても色褪せることのない美しいパターンの存在があります。

スウェーデンの身近なモチーフがデザインに映しだされているからこそ、見る人の心を掴んで離さないのでしょう。
「暮らしのひとこま」を切り取ったデザインは、いつの時代でも輝き続けています。

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