iittala(イッタラ)は、1881年にフィンランドのイッタラ村で創業したフィンランドを代表するテーブルウェアブランドです。
iittala(イッタラ)は、単なる見た目のデザイン性の高さだけではなく、機能性も重視した製品を生産する最初のブランドの一つであり、現代の北欧デザインの象徴的存在とも言える老舗ブランドです。
このページでは、普段の食卓からフォーマルな場面まで、素敵に暮らしをセンスアップしてくれるイッタラの魅力をお伝えします。
目次
iittala(イッタラ)について
現在のイッタラの成功には 2人の伝説的なデザイナーである、アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)とカイ・フランク(Kaj Franck)が大きく関係しています。
「美しく機能的なデザイン」といったフレーズを耳にすることがありますが、そのコンセプトの誕生にこの 2人のデザイナーが関係していることは間違いありません。
「実際に使うためにデザインは考えられ、生活を豊かにするために製品が作られる。」
イッタラはこういった考え方によって、新しいデザインを取り入れつつも、80年以上の歴史を持つロングヒット商品も含めた幅広い品揃えを持つブランドへと成長しました。
iittala(イッタラ)の有名なコレクション
iittala(イッタラ)の有名なコレクションには以下のようなラインナップがあります。
- Kartio(カルティオ)
- Teema(ティーマ)
- Taika(タイカ)
- Essence(エッセンス)
- Kastehelmi(カステヘルミ)
- Aino Aalto(アイノ・アアルト)
しかし、イッタラの最も象徴的なデザインは、1936年にアルヴァ・アアルトによってデザインされた『Aalto vase(アアルトベース/アアルトの花瓶)』であり、イッタラにとどまらずフィンランドで最も象徴的なデザイン製品の一つとなっています。
建築家でありデザイナーでもある、アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)については下記のページにまとめています。
iittala(イッタラ)の主なアイテムラインナップ
iittala(イッタラ)は、ブランドの代名詞ともいえる数々のすばらしいテーブルウェア以外にも、クラシックなデザインながら機能性をあわせ持つキッチンツールや、流行に左右されないデザインと優しいたたずまいのインテリア雑貨など、さまざまなラインナップがあります。
テーブルウェア
iittala(イッタラ)は、ガラス食器をはじめとしたプレートやボウルなどのお皿や、マグカップなどの商品ラインナップを持つテーブルウェアの人気シリーズがあります。
飽きにくいシンプルな美しいデザインで使い勝手が良く、カラーバリエーションが豊富なアイテムなど、普段使いにも、おもてなしの器として揃えるのにも魅力的です。
ミニマルなフォルムが美しい陶器の『Teema(ティーマ)』シリーズなど、陶磁器製品はオーブン、電子レンジ使用ができるのも普段の生活の中で使いやすく嬉しいですね。
まずはテーブルウェアの代表作をご紹介します。
Kartio(カルティオ)
20世紀のフィンランドデザインを代表するデザイナー、カイ・フランクによる『Kartio(カルティオ)』シリーズは、1958年に誕生したロングセラーアイテムです。
シンプルなガラスのタンブラーは程よく厚みがあって口に当てた感触も良く、安定感があり日々の暮らしに安心して取り込むことができます。
カラーのバリエーションも豊富で、色違いで集めたくなる透明感のある色ガラスの発色の美しさも魅力の一つです。
主張しすぎない控えめな美しさに魅せられる、イッタラのグラスを代表するアイテムとなっています。
Teema(ティーマ)
1952年の発売開始以来、シンプルな美しいフォルムで親しまれている『Teema(ティーマ)』シリーズ。
カイ・フランクによる装飾をそぎ落とされたシンプルなデザインは、従来の食器デザインとは一線を画するものであり、現代デザインの古典ともいわれ、時を超えて愛されています。
色、サイズを組み合わせて美しいデザインを楽しめる食器シリーズで、電子レンジや食洗器利用も可能な機能性に優れた点も日常使いにぴったりです。
イッタラグループ所有の陶器ブランド Arabia(アラビア)のムーミンマグも、実はこの『Teema(ティーマ)』シリーズのマグカップをべースとして作られています。
Taika(タイカ)
フィンランド語で「魔法」を意味する『Taika(タイカ)』は、デザイナーのクラウス・ハーパニエミによる幻想的なデザインのシリーズです。
フクロウやハリネズミといった動物や植物の可愛らしいモチーフが芸術的に使われていて、アイテムを使う人々の心にやすらぎや想像力を抱かせてくれるような魔法のような魅力を持っています。
大胆な可愛さを持つデザインであるのと同時に、大人の気品を感じるアイテムです。ゆったりとした休息時間のお供にして、優雅なひとときを過ごすのにも憧れます。
Essence(エッセンス)
『Essence(エッセンス)』シリーズは、下に向かって広がるガラスの形が特徴的なワイングラスとして知られています。
飲食に深い知識を持つデザイナーのアルフレッド・ハベリによるワイングラスは、ワインの酸化を防ぎ最後まで香りを楽しむため底面を平らにするなど、細部までのこだわりがうかがえます。
赤や白ワイン、シャンパンやビールなど、お酒に合わせて異なるグラスの種類があり、お酒を愛する方にぜひおすすめしたいアイテムです。
Kastehelmi(カステヘルミ)
『Kastehelmi(カステヘルミ)』は、フィンランド語で「露のしずく」を意味します。
朝露がきらめく様にインスピレーションを受けて 1964年にオイバ・トイッカによりデザインされました。
この雫のような瑞々しい装飾と凛とした美しいガラスの色を持つシリーズは、その透明感から他の食器類とも馴染みやすくなっています。
『Kastehelmi(カステヘルミ)』のプレートにサラダ、デザートやフルーツなど載せて食卓に並べると、ぱっと華やぎ気持ちも明るくなって日々の暮らしに彩りが生まれそうですね。
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Aino Aalto(アイノ・アアルト)
1932年に誕生した『Aino Aalto(アイノ・アアルト)』シリーズは、イッタラの現在発売されている中でも一番長い歴史を持つロングセラー製品です。
水の波紋からインスピレーションを受けたというリング状のデザインは、結露などによって手をすべらす不安を拭ってくれる使い手に嬉しいデザインになっています。
アルヴァ・アアルトの妻でもある、アイノ・アアルトによる女性デザイナーらしい心遣いを感じる機能的デザインとその美しさで長年愛されているアイテムで、イッタラの魅力を体現できるアイテムです。
キッチンツール
イッタラの手がけるキッチンツールを代表する有名作が、煮込み料理にぴったりの機能的な『Sarpaneva(サルパネヴァ)のキャセロール』です。
伝統的なデザインでありながら、現代の生活の中で使い勝手抜群のアイテムです。
ほかには、陶器の『Teema(ティーマ)』シリーズのティーポットは、洗練された上質なシンプルさが美しい、使う楽しみがずっと続くキッチンツールで、やはりこちらも世代を超えて愛されるアイテムだと言えるでしょう。
Sarpaneva(サルパネヴァ)のキャセロール
ティモ・サルパネヴァによるキャセロールは、1960年にデザインされた木のハンドルと鋳鉄のボディを持つ、美しくて機能的な厚手鍋です。
映画『かもめ食堂』に登場する “サチエさん” が、肉じゃがを作る際に使用していたことで親しみを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
鍋の中は焦げ付かないホーローで、木の持ち手は蓋を開ける際にも使うことができます。
IH(電磁調理器)に対応しているなど、現在のライフスタイルにも調和するアイテムです。
インテリア雑貨
イッタラには Aalto vase(アアルトベース/アアルトの花瓶)を筆頭に、オブジェ、 オーナメントといった鮮やかなカラーガラスのインテリア雑貨があり、時代を問わず根強い人気があります。
オイバ・トイッカによる『バード』や『フルーツ & ベジタブル』といったガラスのオブジェは、お部屋に置きたくなる心地よさと優しい雰囲気を持ちつつ、デザインもとても個性的です。
クリスマスツリーに飾るイッタラならではのガラス製のオーナメントも、取り付けるだけでとてもお洒落なクリスマス仕様のインテリアになってしまうすごいアイテムです。
お家の中での時間を大切にインテリアを楽しむ、イッタラの生まれた北欧らしい温かみのあるインテリア雑貨アイテムをぜひ取り入れてみてください。
Alvar Aalto Collection(アルヴァ・アアルト コレクション)の Aalto vase(アアルトベース/アアルトの花瓶)
フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトによる 1936年に発表されたコレクション。
流れるような曲線のフォルムはフィンランドの湖や白樺の木の断面を表しているなどいくつかの説があります。
大小さまざまなサイズをそろえる Aalto vase(アアルトベース/アアルトの花瓶)は、製作は職人 7人がかりという、手作業による丹精込められたアイテムです。
小さな 95mmサイズにカットした花を生けて可愛い雰囲気にも、高さのある 200mmでモダンで美しい花瓶としても魅力を発揮します。
Birds by Oiva Toikka(バード バイ オイバ・トイッカ)
フィンランドの著名なガラスデザイナーのオイバ・トイッカによるコレクション。
1972年に製作が開始されてから 500種類以上の芸術性の高い鳥たちのオブジェを生み出し、愛されてきました。
『バード』は、手吹き技法でガラス職人によって一つ一つ製作されています。
『コアジサシ』は、ぽってりとした形や突き出た嘴が可愛らしいバードの人気シリーズの一つです。
2019年の日本とフィンランドの外交関係 100周年記念するイッタラのアイテムにも選ばれました。
iittala(イッタラ)のグループ傘下にある有名ブランド
現在、iittala(イッタラ)は世界的なグループ企業へと成長し、アラビアをはじめ「ロールストランド」「ボダノバ」「ハックマン」「ホガナス・ケラミク」「ホヤング・ポラリス」などのブランドを傘下にしています。
現在のイッタラグループの1つである Arabia(アラビア)は、1873年にフィンランドにて創業された陶器ブランドですが、もとは 1726年にスウェーデンにて創業した Rorstrand(ロールストランド)の傘下として設立されたものでした。
2016年にアラビアはフィンランドにおける工場生産を廃止し、以前はアラビアファクトリーとして日本人観光客にアウトレットとしても人気だった場所は、現在は『イッタラ & アラビアデザインセンター』として生まれ変わり、ショップやミュージアムなどが入っています。
まとめ
ここまでフィンランドを代表するテーブルウェアブランドである iittala(イッタラ)について、有名なラインナップ商品の魅力をまじえながらご紹介しました。
イッタラの製品は、デザイン性の高いユニークなアイテムながら、普段の生活にすっと馴染んで使いやすいものばかりです。
シンプルな美しさと機能性を兼ね備えたイッタラの食器を使うことで、料理の見え方や気持ちも変わってきます。
ぜひ心惹かれるイッタラのアイテムを生活に取り入れてみてください。