フィンランドとデザインブランド

豊かな自然に恵まれたフィンランドは、『ムーミン』や『マリメッコ』など数々のすぐれたデザインを生み出している国です。

また、『アラビア』や『イッタラ』といった北欧食器の定番ブランドも、フィンランドデザインの象徴的な存在です。

このページでは、フィンランドとデザインの関わりについてお伝えします。

フィンランドの概要

この表の説明

以下の表は2列のカラムで構成されています。左側の列はフィンランドに関する各情報のタイトル、右側の列はその内容を記載しています。

国名 フィンランド共和国
公用語 フィンランド語、スウェーデン語
首都 ヘルシンキ
最大の都市 ヘルシンキ
国土面積 日本の約90%
人口 551万人(2018年12月末時点)
通貨 ユーロ
リンク

フィンランドの有名なデザインブランド・デザイナー

フィンランドを代表する有名デザインブランド・デザイナーの一覧を掲載しています。

Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)
アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)は、フィンランドを代表する世界的な建築家、デザイナーです。 数々の著名な建築物を手がけたほか、家具や食器などのデザインにも関わっています。 アルヴァ・アアルトがデザインした家具はアルテックが製作・販売し、1937年のパリ博覧会に出品して世界的に有名になったアアルト・ベースは、イッタラが製作しています。
Arabia(アラビア)
Arabia(アラビア)は、1873年に創業されたフィンランドを代表するブランドで、陶器を中心としたキッチンウェアやテーブルウェアを生産しています。 アラビアの製品はフィンランドでもファンが多く、トーベ・ヤンソンによって描かれたムーミンのオリジナルイラストが印刷されたマグカップなどの「ムーミンシリーズ」は人気の高いアイテムです。
Artek(アルテック)
アルテック(Artek)はフィンランドの家具会社で、建築家やデザイナーなどの4人のグループによって1935年にヘルシンキで創業されました。 『Artek』の名前は、「アートとテクノロジーを融合させる」という思いから名付けられ、その名の通り、デザインと技術的な専門性を両立させているブランドです。
Finlayson(フィンレイソン)
Finlayson(フィンレイソン)は、1820年に創業されたフィンランドで最も歴史がある、北欧デザインを語るうえで欠かすことのできないテキスタイルブランドのひとつです。 約200年もの伝統があるフィンレイソンは、北欧の自然をモチーフにしたデザインのファブリックやタオル、寝具を中心としたアイテムを生産しており、フィンランドの家庭にはかならず1つはフィンレイソンの製品があると言われるほどです。
iittala(イッタラ)
iittala(イッタラ)は、1881年にフィンランドのイッタラ村で創業したフィンランドを代表するテーブルウェアブランドです。 イッタラは、単なるデザイン性だけではなく、機能性も重視した製品を生産する最初のブランドの一つであり、現代の北欧デザインの象徴的存在とも言えるブランドです。
Johanna Gullichsen(ヨハンナ・グリクセン)
Johanna Gullichsen(ヨハンナ・グリクセン)は、1989年に設立したフィンランドを代表するテキスタイルブランドです。シンプルながら力強い独特のパターンとカラーバリエーションをもつデザイン、選び抜かれた天然素材によって、ヨハンナ・グリクセンは北欧のテキスタイルの伝統に現代的なアレンジを加えた製品を発信しています。
Kauniste(カウニステ)
Kauniste(カウニステ)は、フィンランド生まれのインテリアブランドです。カウニステの製品は、北欧の若いデザイナーと熟練した職人の技術を融合させた高品質のリネン(麻)が中心です。素朴で愛らしいパターンと色合いがデザインの特徴で、キッチンタオルをはじめとしたファブリック製品の大半はシルクスクリーンによって鮮やかにプリントされています。
LAPUAN KANKURIT(ラプアン・カンクリ)
LAPUAN KANKURIT(ラプアン・カンクリ)は、フィンランドの西部の小さな町「ラプア」にあるテキスタイルブランドです。キッチン・テーブルファブリックやベッドリネン、ブランケットといったアイテムが中心で、少しくすんだやわらかい色合いと、シンプルながら洗練されたデザインが特徴です。
marimekko(マリメッコ)
marimekko(マリメッコ)は、1951年創業のフィンランドを代表するテキスタイルブランドです。「ウニッコ(Unikko)柄」に代表される、独創的なデザインや鮮やかで大胆な色使いでプリントされた製品がブランドシンボルとなっています。ブランド名である「marimekko(マリメッコ)」は「マリのドレス」という意味で、大胆なプリントや色使いは「人々を勇気付け、幸せと喜びをもたらしたい」との願いが込められているそうです。
Moomin(ムーミン)
Moomin(ムーミン)は、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンによって描かれた、世界中で愛されている北欧を代表するキャラクターです。作者のトーベ・ヤンソンは、フィンランドの首都ヘルシンキで1914年に誕生しました。父は彫刻家、母はグラフィックアーティストという芸術一家で、「まるで呼吸するように」芸術に親しんで育ったといいます。
SAANA JA OLLI(サーナ・ヤ・オッリ)
SAANA JA OLLI(サーナ・ヤ・オッリ)は、フィンランドのデザイナー夫婦が運営しているテキスタイルブランドです。サーナ・ヤ・オッリの製品は、ラグやベッドリネン、キッチン・インテリア小物といったラインナップが中心で、すべて高品質な100%の麻(ヘンプ)が使用されています。

これ知ってる?フィンランドに関する豆知識

北欧デザインをリードする国フィンランドについて、どれくらいのことを知っていますか?

『かもめ食堂』、白樺の樹、幸福度が高い、オーロラ etc…
どれもゆったりしたイメージが広がります。

ここでは、フィンランドに関する豆知識をちょっぴりご紹介します。
それらを知ることで、フィンランドのデザインが生まれた背景をほんの少しイメージできるかもしれません。

サンタクロース

サンタクロース

フィンランドの最北端に位置するラップランドのロヴァニエミという都市には、サンタクロースが住んでいる「サンタクロース村」があります。
世界中の子どもたちに夢を届けるサンタさんの村があるなんて、とてもロマンチックですよね。

オーロラ

オーロラ

サンタクロースが住んでいるラップランドは、素敵なオーロラを見ることができる場所としても有名です。
オーロラは、1年のあいだになんと約200回も見ることができるそうですよ。

大自然に囲まれた幻想的なイメージは、太古の昔からインスピレーションを育む土壌となっていたのかもしれません。

森と湖

フィンランドの森と湖

フィンランドにはヨーロッパの他のどの国よりもたくさんの森があります。
その数は数千にも及び、面積は国土の 70%以上を占めています。
また、フィンランドには約 188,000もの湖があり、世界一水が多く、きれいなことでも知られています。

自然の中を自由に散策する権利(自然享受権)

自然の中を自由に散策する権利(自然享受権)

フィンランドの「自然享受権(Jokamiehen Oikeus)」とは、誰でも自然がある場所への立ち入りが認められる権利です。

たとえ他人の土地であっても所有者に損害を与えたり自然を破壊しない範囲なら、自由に散策したりスキーをしたり、テントを張ってキャンプをしたり、野生の果実やキノコなどを採ることも許可されています。

土地を所有する権利よりも自然を満喫する権利が優先されるなんて、さすがは豊かな自然に恵まれたフィンランドらしい制度ですね。

多少の制限の違いはありますが、この自然享受権は同じ北欧のデンマークノルウェースウェーデンにも存在しています。

世界トップクラスにきれいな水と空気

きれいな水と空気

フィンランドの首都ヘルシンキの水道の水は、世界中の大都市の中でも一番清潔とされています。
また、ラップランドのキルピスヤルヴィは、ヨーロッパで一番きれいな空気を吸える場所だそうですよ。

世界一サウナが多い

サウナ

フィンランドの国内にはなんと 300万以上のサウナがあります。
フィンランドの人口は約 530万人ですので、2人に 1つ以上のサウナがある計算になります。

フィンランド人にとってサウナはとても重要な意味を持っていて、サウナに招待されることはとても光栄なこととされています。

裸での付き合いは「何も隠すことがない」ことを意味し、重要なものごとは会議でなく、サウナで決定されると言われるほどです。

盛んなコーヒー文化

カフェ

フィンランド人はコーヒーが大好きで、国民1人あたりのコーヒー消費量は世界 2位(*)で、その量は日本の平均の約 4倍にもなります。
コーヒー文化が盛んなため、フィンランドには素晴らしいコーヒーショップとカフェがたくさんあります。

ムーミン

ムーミン

世界中で愛されるムーミンは、フィンランド人の作家・イラストレーターであるトーベ・ヤンソンが生み出しました。

ムーミンのファンなら、フィンランドのナーンタリにある『ムーミンワールド』や、タンペレの『ムーミン美術館』は一度は訪れてみたい場所です。

個性的なイベント

奥様運び選手権

『エアギターの世界選手権』『奥様運び選手権』『携帯電話投げ選手権』など、フィンランドには個性的なイベントがあります。

フィンランド人にとってイベントの意味はあまり関係なく、本気になって楽しむことが重要と考えているそうですよ。

子育て支援

子育て支援

フィンランド政府は 1938年以降、出産を控えた母親たちに対して、おむつ・洋服・シーツ・おもちゃ・マットレスなどを、素敵で丈夫なダンボール箱に詰めてプレゼントする政策をとっています。

さらにその丈夫なダンボール箱は赤ちゃんの素敵なベッドになり、実際に「新生児の多くはこの箱で眠る」という何とも微笑ましい習慣があるそうです。

また、出産した母親たちは、約 1年分の給料にあたる手当てを受け、1年間は家で子育てに専念することができます。

他にも、ベビーカーに子供を乗せている人は、ほとんどの街で公共交通機関を無料で利用することができたり、世界最高水準の教育を無償で受けることができるなど、フィンランドは福祉支援が充実している国です。

豊かな自然と相まって、ゆとりのある社会の中で伸びやかに育つことができる環境が、優れたデザインを生み出している理由である気がしますよね。

タイトルとURLをコピーしました