ノルウェーのデザインは、1950 年代から 60 年代にかけて盛んになりましたが、あまり有名ではありません。
その理由は、1970 年代に入ると北海油田の開発によって安定した収入を得られるようになったため、ノルウェー国内でのデザインの重要性が低いものになり、世界へ向けた発信を積極的に行わなくなってしまったからと考えられています。
あまり知られていないノルウェーのデザインですが、素晴らしい製品がたくさん隠れています。
国名 | ノルウェー王国 |
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公用語 | ノルウェー語 |
首都 | オスロ |
最大の都市 | オスロ |
国土面積 | 日本とほぼ同じ |
人口 | 532万人 (2019年1月:ノルウェー中央統計局) |
通貨 | ノルウェー・クローネ |
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目次
ノルウェーのデザインブランド一覧
ノルウェーのデザインのルーツは、建築家のアルネ・コルスモ(Arne Korsmo)が 1934年にバウハウスで得た知見をノルウェーに持ち帰ったことから始まりました。
バウハウスとは、第一次世界大戦後にドイツ中部の街ワイマール共和国に設立された、美術学校のことです。
1919年から1933年の14年間、そこでは工芸、写真、デザイン、美術、建築など総合的な教育を行っていました。その歴史は短いながら、その功績は大きく、モダンデザインの基礎を作り、今もなお世界中の建築やデザインなど、さまざまな分野に多大な影響を及ぼしています。






ノルウェーに関する豆知識
ノルウェーという国から、どんなことをイメージするでしょうか?
サーモン、フィヨルド…、ぱっと思いつくものは多くないかもしれません。
ノルウェーは北欧の中でも少々影の薄い存在ですが、実にうつくしい自然が多く、興味深い文化と魅力にあふれた国です。
今回は、ノルウェーのことがちょっと好きになる10の豆知識をご紹介します。
公用語が2つ以上ある
ノルウェー語は大きく分けて、東ノルウェー中心の「Bokmål(ブークモール)」と「Nynorsk(ニーノシュク)」、そして北方先住民族サーミが話す「 Sámegielat(サーミ語)」の3種類があります。
特にブークモールとニーノシュクは、どちらも同じノルウェー語でありながら、単語の綴りや発音が変わるから面白いですよね。
例えば国名の「ノルウェー」を表すときは、ブークモールなら「Norge」、ニーノシュクなら「Noreg」と綴りが違い、発音も異なります。
加えて、ノルウェー人はみんな出身地域の方言をとても大切にします。
普段の会話はもちろん、公的機関の会見やニュース番組でも、官僚・キャスターの出身地域の方言を話すため、慣れないノルウェー語学習者にとっては大混乱。
それほど、ノルウェー人が方言を含めた「ノルウェー語」に誇りを持っていることがうかがえます。
北方先住民族・サーミ
via サーミ人 – Wikipedia
サーミは、ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・ロシアの北極地方に住む、北方の先住民族。
中でも、ノルウェーにおけるサーミ人の人口が最も多い割合を占めています。
トナカイ放牧をしながら移動し、独特の民族衣装や言語が特徴のサーミ人は、ノルウェー国民の10パーセント以下と少数派。
さまざまな差別を受けてきたサーミ人ですが、ノルウェーが最も早くサーミ人の存在・文化を認めるようになり、政治的立場の強化にも努めました。
今では、ノルウェー社会に彼らの意見が反映されることを目的とする、サーミ民族の議会が存在します。
ノルウェーは多民族国家として、お互いの違いを認め、権利を尊重しあう社会づくりに取り組んでいます。
編み物大好き!
秋冬のノルウェーを訪れると、カフェで編み物をしているノルウェー人にたびたび遭遇します。
バスや電車に乗っている間に、ちょこちょこ靴下やストールを編んでいる様子を見かけることも。
筆者は一度、長時間の列車旅の間、ひとり黙々と靴下を編んでいたところ、隣の席に座っていたおばあちゃんに「あなたも編み物をするのね?」と話しかけられ、そっと彼女のカバンから編みかけのセーターを取り出してきたことがありました。
拙いノルウェー語で会話をしながら、同じ時間を共有できたことが、とてもうれしかったです。
みなさんもぜひ、編み物を覚えてノルウェーを旅してみて下さい。
編み物から会話がはじまる「編みニュケーション」に出会えるかもしれませんよ。
先進的なコーヒー文化
ノルウェーの首都・オスロは「サードウェーブ・コーヒーの聖地」として有名な町です。
かつて主流だった「深煎りの苦みが強いコーヒー」の概念を覆し、本来コーヒーが持つ香りや酸味を引き出した「浅煎りのフルーティーなコーヒー」を世界に広めたのは、オスロのコーヒーショップです。
コーヒー豆の質の向上と同時にバリスタのスキルが磨かれ、コーヒー関連の世界大会チャンピオンを多数輩出しています。
中でも先駆者的存在の Tim Wendelboe(ティム・ウェンデルボー)が、気候変動と結び付けた活動を行なうなど、コーヒーの味だけでなく、生産の仕組みを知ってもらう取り組みにも積極的なのが、オスロのコーヒー文化の特徴です。
フィヨルドと豊かな自然
ノルウェー語で「入り江」を表すFjord(フィヨルド)は、主に寒帯に見られる地形を指します。
氷河の浸食作用によって掲載された複雑な湾は、間近で見るとそのスケールの大きさに圧倒されます。
北欧の中でも、とりわけスケールが大きくうつくしいフィヨルドを楽しめるのがノルウェーです。
ディズニー映画「アナと雪の女王」のモデルになった町も、ノルウェーにあります。
雪が解ける春~秋は、緑豊かな景色を堪能できるのが魅力です。
白夜・極夜
via ノルウェー、ノールカップの白夜(2003年6月6日午前0時44分撮影) – Wikipedia
緯度66.6度以北の地域で見られる現象で、白夜は「1日じゅう太陽が沈まない状態」、極夜は「1日じゅう太陽が顔を出さない状態」を指します。
ノルウェーでは、中部以北の地域やスヴァーバル諸島で、白夜・極夜現象を体験できますよ。
日本では絶対に体験できない、おとぎ話のような世界が待っています。
国営放送の不思議な番組「スローテレビ」
国営放送局NRKが提供する番組「Sakte-TV(スローテレビ)」は、ひとつのテーマに沿った映像をひたすら長時間流し続ける、斬新なプログラムです。
過去に放送されたテーマは、「トナカイの移動密着」「子猫の定点観測」「暖炉の炎が終えている映像」など、多岐にわたります。
回によっては、視聴率50パーセントを超えるほどの人気ぶり。
「観ているだけで癒される」と好評な、新しいテレビのあり方を提示する番組です。
スキー文化
冬は雪に覆われるノルウェーで国民的スポーツといえば、クロスカントリースキーです。
「ノルウェー人はスキー板を履いて生まれてくる」ということわざがあるほど、ノルウェー人は小さいころからスキーに親しんでいます。
スキーシーズンになると、夕方の仕事終わりにひと滑り、といった様子で、スキー板を抱えて電車に乗る人の姿を日常的に目にするほど身近なスポーツです。
ヒュッテ(山小屋)
ノルウェー語で「山小屋」をあらわす Hytte(ヒュッテ)は、いわば別荘地のこと。
ノルウェー人はみんなヒュッテを持っていて、休暇をゆっくり過ごします。
まわりに家がないことが多く、自然のアクティビティを楽しんだり、のんびりくつろぐのに最適。
ヒュッテは、自然と付き合うのが上手なノルウェー人にとって、大切な場所です。

エコでクリーンな取り組み
産油国のノルウェーですが、同時に国民の環境への意識が高い国としても有名です。
限りある資源を使い切る前に、グリーンエネルギーにシフトしようと、国を挙げて取り組んでいます。
2019年には、EUが定めるGreen Capital Cityに選ばれ、EV車両の導入や、歩行者のために車の台数自体を減らすキャンペーン、自治体の予算案に二酸化炭素排出量を計上するといった、環境に配慮したアクション・イベントを多数行いました。
現代社会が頼りすぎているエネルギー源を輸出する国だからこそ、環境への責任に自覚をもち、ノルウェー国民は今日も地球のために議論をしています。