デンマークとデザインブランド

デンマークは大小400以上の島で構成され、日本の九州とほぼ同じ大きさの小さな国です。

「居心地のいい時間や空間」を意味する「Hygge(ヒュッゲ)」というデンマークの言葉が、欧米を中心に注目されるようになり、日本でも話題に上がるようになりました。

「世界一幸福な国」とも呼ばれるデンマークの生活の道具を知ることで、幸せな暮らしのヒントが見つかるかもしれません。

デンマークの概要

この表の説明

以下の表は2列のカラムで構成されています。左側の列はデンマークに関する各情報のタイトル、右側の列はその内容を記載しています。

国名 デンマーク王国
公用語 デンマーク語
首都 コペンハーゲン
最大の都市 コペンハーゲン
国土面積 日本の約1/10
*グリーンランドを除いた面積
人口 581万人
(2019年デンマーク統計局)
通貨 デンマーク・クローネ
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デンマークのデザインブランド一覧

デンマークのデザインは製品のシャープさが特長で、家具をはじめ、ロイヤル・コペンハーゲンの陶器や、ジョージ・ジェンセンのテーブルウェア、バング&オルフセンのようなオーディオ製品などが特に有名です。

また、アルネ・ヤコブセン、ハンス・ウェグナー、フィン・ユールといった有名デザイナーを輩出していることでも知られています。

Bang & Olufsen(バング&オルフセン)
Bang & Olufsen(バング & オルフセン)は、1925年にデンマークで創業したオーディオ・ビジュアルブランドです。機能美を追求したデザインだけでなく、高い技術、人間工学に基づいた快適な操作性をミックスした製品を生産しています。MoMA(ニューヨーク近代美術館)のパーマネントコレクション(永久収蔵品)にも、バング & オルフセンのプロダクトが展示されています。
bodum(ボダム)
bodum(ボダム)は、1944年に創業したデンマークのキッチンアイテムを手がけるブランドで、コーヒーメーカー「フレンチプレス」がラインナップの中心です。フレンチプレス・コーヒーメーカー「ビストロ(BISTRO)」シリーズによって大きな成功を収め、世界中のコーヒー愛好家に支持されるブランドになりました。
eva solo(エバ・ソロ)
eva solo(エバ・ソロ)は、1913年にデンマークで創業した老舗のキッチンツールブランド。美しさ、機能性、品質を可能な限りシンプルなデザインで表現しているのが特徴です。150以上のデンマークおよび国際的なデザイン賞を受賞した、エバ・ソロの高品質でありながら洗練されたデザインの製品は、見た目の美しさだけでなく、使う人を楽しませてくれます。
ferm LIVING(ファームリビング)
ferm LIVING(ファームリビング)は、テーブルウェアから家具までインテリア全般を取り扱うデンマークのブランドです。 創業は2005年と比較的新しい会社ですが、クラシックな北欧デザインと現代らしさを巧みに取り入れたことで一気に人気となり、今やデンマークを代表するブランドの1つとして定着しています。
Flying Tiger Copenhagen(フライング・タイガー・コペンハーゲン)
Flying Tiger Copenhagen(フライング・タイガー・コペンハーゲン)は、デンマーク発祥のインテリア雑貨を中心として扱うブランドです。北欧のインテリア雑貨ブランドとして、スウェーデンの IKEA(イケア)と比較されることもありますが、フライングタイガーの商品は全般的に値段はそれほど高くなく、デンマークでは日本の100均ショップに近い感覚で利用されているようです。
Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)
Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)は、1872年にデンマークで創業したデザイン史において重要な意味を与えている家具ブランドです。フリッツ・ハンセンで働いていたデザイナーには、アルネ・ヤコブセンや、ポール・ケアホルム、ハンス・J・ウェグナー、ピート・ハインなど、そうそうたる顔ぶれがあり、『フリッツ・ハンセン共和国(Republic of Fritz Hansen)』との異名も持っていました。
GEORG JENSEN(ジョージ・ジェンセン)
GEORG JENSEN(ジョージ・ジェンセン)はデンマークのコペンハーゲンで1904年に創立したブランドです。ジュエリーや時計が主なラインナップとなりますが、カトラリーなどのテーブルウェアやダイニング・キッチン用品、インテリア小物なども展開しており、デンマーク王室とスウェーデン王室御用達としても採用されている格調高い製品をつくり出しています。
HAY(ヘイ)
HAY(ヘイ)は、2002年に創業したデンマークのインテリアブランドで、北欧デザインのカテゴリーの中でも流行を牽引する存在です。ムダのないシンプルなデザインの家具、キッチンツール、照明、テキスタイルなどを中心としたインテリアアイテムを発信しています。
HOLMEGAARD(ホルムガード)
HOLMEGAARD(ホルムガード)は、1825年に設立されたデンマークで最も歴史のあるガラスブランドです。 熟練した職人による吹きガラスと、機械による型吹きガラス製法ともに最高品質であるホルムガードの製品は、デンマーク王室御用達ブランドにも選ばれています。
Louis Poulsen(ルイス・ポールセン)
Louis Poulsen(ルイス・ポールセン)は、1874年創業のデンマークで洗練された照明器具を生み出し続ける歴史あるブランドです。ルイス・ポールセンの照明は、自然の光と調和するように深く追求されています。美しさと機能性を備えた...
LUCKYBOYSUNDAY(ラッキーボーイサンデー)
LUCKYBOYSUNDAY(ラッキーボーイサンデー)は、デンマーク生まれのニットアートブランドです。ボリビア産の最高品質のアルパカニットを使用したぬいぐるみやクッション、クッションカバーなどのアイテムが中心で、ちょっと風変わりなキャラクターの人気に火が付き、現在では世界約40カ国でコレクションを展開しています。
Rosenberg Cph(ローゼンバーグ・コペンハーゲン)
Rosenberg Cph(ローゼンバーグ・コペンハーゲン)は、デンマークのテキスタイルブランドです。クッションカバーやベッドリネンなどのアイテムが中心で、淡くやさしいパステルカラーの色合いとシンプルながら洗練されたデザインが特徴です。綿製品はすべて高品質なオーガニックコットン100%を使用しており、デザインと印刷はすべてデンマークで行われています。
Royal Copenhagen(ロイヤル・コペンハーゲン)
Royal Copenhagen(ロイヤル・コペンハーゲン)は、1775年にデンマークの女王であるジュリアン・マリーによって設立された歴史ある陶器ブランドです。 製品のデザインはすべて手描きによって絵付けされており、製品の裏側にはロイヤル・コペンハーゲンのブランドロゴマークと、アーティストのサイン、シェーブナンパーが入っているのが特徴です。

デンマークってどんな国?

デザイン分野での活躍が目覚ましいデンマークは、手厚い教育や福祉システムで名のある、国際色豊かな国です。

一方で、スカンジナビア半島の南部に位置することから、ほかの北欧諸国とはすこし違ったユニークな一面も見られます。

スタイリッシュで先進的なデザインが生まれる国・デンマークをもっと知るために、10の豆知識を集めました。

皆さんは、いくつ知っていますか?

発音がちょっと独特なデンマーク語

デンマークの公用語は、デンマーク語です。

スカンジナビアン言語のひとつであるデンマーク語は、ノルウェー語・スウェーデン語とよく似ています。

特にデンマーク語の表記は、ほとんどノルウェー語と同じなため、読むだけであればお互いに十分理解できてしまうほど。

しかし話すとなると、発音はかなり異なります。

デンマーク語の発音は「あつあつのじゃがいもを口に入れて喋っているよう」と形容されるほどユニーク。

日本人からすると、初めはずいぶん難解に聞こえますが、慣れればきっとすぐに習得できますよ。

自転車大国

日本でも自転車で移動する人をよく見かけますよね。

しかしデンマークでは、ほとんどの大通りに自転車専用レールが設置され、ものすごいスピードで自転車をこぐ人々に遭遇します。

もちろん乗車ルールが徹底され、朝夕の通勤ラッシュ時間も安全に走行しているので、歩行者が恐怖を感じる瞬間は多くありません。

特に首都・コペンハーゲンは「人口よりも自転車の方が多いのでは」と言われるほど、どこにいっても自転車を見かける町です。

排出ガスがないため環境にやさしいですし、自転車ひとつあればちょっとした遠出ができ、さらにエクササイズにもぴったり。

旅行者向けのレンタルサイクルや、誰でも利用できるシェアサイクルもあるので、観光の際はぜひ活用してみてください。

クラフトビールが盛ん

世界的に絶大な支持を得るビール・カールスバーグ(Carlsberg)はデンマークの企業ですが、近年は特に中小規模のメーカーによるクラフトビールの波が来ています。

デンマークは農地が多く、麦などの穀物類が多く採れるため、良質な材料を用いたビール醸造が可能なのです。

ポップなデザインが目を惹くミッケラー(Mikkeller)や、オーガニックの素材にこだわったHerslev Bryghusといったマイクロブリュワリーが肩を並べています。

街中には豊富なクラフトビールをタップで楽しめるバーが増えているため、気になる種類を試飲するのにおすすめです。

高い山がない!平らな国土

北欧といえば壮大な自然と山脈の景色をイメージしがちですが、実はデンマークには山がありません。

自治領を除けば一番高い山(というより丘)は、モレホイという場所の、たった171メートル

その代わり、デンマークには雄大な草原や農地が広がります。

少し小高い丘に登れば周囲を一望でき、とても気持ちがよいはず。

なだらかな風景を眺めながら、バスや列車旅なんかも良さそうですね。

世界一大きな島・グリーンランド

北極圏に位置するグリーンランドは、デンマーク領の一部です。

とはいえ本土から距離があり、グリーランド島内で自治政権が存在するため、基本的にグリーランドの人々は彼らのコミュニティ内で生活しています。

デンマーク本土の議会内にも議席を持ち、お互いに良好な関係を保っている様子。

国土の半分は雪や氷に覆われ、フィヨルドのような美しい自然と隣り合わせで暮らしています。

島民の多くはイヌイット系のカラーリットと呼ばれる民族で、独自の言語や文化を持っています。

同じデンマークでも気候や文化がずいぶん異なるのは、面白いですよね。

北欧だけど雪が積もらない

「北欧だから、デンマークも冬は寒そう」と思われるかもしれませんが、ほかの北欧諸国に比べると、やや緯度が低い場所に位置するデンマーク。

海流の影響もあり、世界平均で見ても降水量はあまり多くないのが現実です。

そのため全体的に湿気が少なめで、冬は比較的あたたかく、夏は涼しいのが特徴。

真冬に雪が降ることはあっても、積もることがほとんどありません。

レゴランドの本場

きっと、誰もが子供の頃に親しんだ、レゴブロック。

世界中で愛されているLEGOは、デンマークの会社です。

近年、日本にレゴランドがオープンして話題になりましたが、レゴ好きなら本場デンマークのレゴランドは必見でしょう。

小さなレゴブロックで作られた繊細でユニークなオブジェの数々は圧巻です。

子どもから大人まで楽しめるアミューズメントパークとして、レゴランドはデンマーク人からも人気を集めています。

独身者に待ち受ける「辛い」試練

デンマークでは、独身のまま25歳を迎えた人に、なんと香辛料のシナモンをふりかける習慣があります。

さらに30歳時点で独身状態だと、もっと辛味の効いたコショウにパワーアップするというから驚きです。

なかなかユニークですが、コショウの習慣は最近に始まったことではないようで、現在も家族や友人から振りかけられる人はいるそう。

ちなみに、離婚が決してタブーではないデンマークにおいて、ここでいう「独身」とは、未婚か既婚経験があるかは関係ないようです。

大人のための学校!フォルケホイスコーレ

デンマークといえば、福祉や教育に力を入れていることで名が知られています。

中でも「フォルケホイスコーレ(Folkehøjskole)」と呼ばれる教育機関を、はじめて創設したことで有名です。

現在は北欧諸国を中心に、欧州でもちらほらと見られるようになったフォルケホイスコーレ。

17歳以上の成人なら誰でも入学でき、テストや成績評価が一切なく、基本的に寮で生活を送るのが特徴です。

フォルケホイスコーレの主な目的は「勉学」ではなく、民主主義的思想に基づいた純粋な知を求め、自分の「やりたい」をとことん追求する場所とされています。

先生も生徒も共に暮らすことで、学校だけでなく生活のあらゆる場面から「学び」や「発見」を吸収できるのが、フォルケホイスコーレです。

欧州を牽引する再生エネルギー推進

気候変動や環境問題への関心が高いデンマーク人は、暮らしの中でエコを意識した取り組みに積極的。

中でも国をあげて推し進めているのは「再生エネルギー」です。

平らな国の利点を生かし、風力発電でのエネルギー自給率を増やし続け、2019年時点ですでに47パーセントを達成しています。

さらには国内2カ所に、世界初の「エネルギー島」を建設予定と、自然の力でエネルギーを生み出す分野を強化中です。

エネルギー自体は目に見えなくても、日々の生活で消費するものだからこそ、出来るだけ地球にやさしい選択肢を選びたい!という国民の意思が表れています。

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